万引き家族～是枝裕和著+安藤サクラさん命式

話題になった「万引き家族」のノベライズ版です。

祖母「初枝」のわずかな年金、母「信代」のクリーニング店のパート代、ＪＫ見学店で働く「亜紀」、日雇い労働で働く父「治」、小学生の学齢の息子「祥太」は貧しい家計の中で、治と祥太は家計が苦しくなると万引きをして生計を立てていた。
ある日、通りがかりの道すがら虐待を受けている「ゆり」という女の子を保護。そして６人での生活がはじまる。
単純な極貧生活を描いた作品かと思いきや、この家族には秘密がある。ネタバレになるので詳細を割愛しますが、現代社会の善悪では万引きは犯罪です。また勝手に「ゆり」を保護してしまうのも誘拐になるわけで犯罪です。
しかし一番悪いのは虐待をする実親でもある。父親「治」は情緒的で優しい面もあるが、基本的に責任感がなく問題も多い。子供である祥太に犯罪の手ほどきを教えることは悪である。
しかし虐待されてきた「ゆり」に対しては、貧しくとも笑顔のある場を与えることのできる治と、擬似家族らは単なる犯罪者なのでしょうか？

また正義として「ゆり」を本当の親元に戻すこと、救出することは「ゆり」にとって幸せなのでしょうか。ここには書きませんが、この家族には秘密があります。正義の文字だけで片付けられない、是と非を突きつけられる作品であると思います。重大な展開を迎えた後の後半部分は、ほろりときます。

安藤サクラさん、リリーフランキーさん、樹木希林さん（故人）と実力派の役者さん揃いです。やはり映画観たいなあ・・
映画では明かされなかった台詞がノベライズでは明かされています。映画を観ている方はノベライズで最終確認するのも良いのかも。

表紙のビー玉は家族をあらわしています

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