加藤シゲアキさんの「チュベローズで待っている」を2冊読了。
AGE22はゲーム会社志望の主人公が就活に失敗。母子家庭で経済的に厳しく家族を支えなければならないこともあり、ホストとして働くことになる。同期の亜歩はたちまちホストで頭角を表す。光太はパっとしないままだったが、大手会社勤務の美津子が光太に接近。美津子の正体は、かつて就活で落とされた第一志望会社のAIDAの社員であった。
ホストの生活も慣れてきた頃、いくつもの事件を光太を襲う・・
この本はAGE22が本当の事件の前ふりである。AGE22だけでは光太の周囲のナゾが解明できないまま、不完全の形で一旦幕を閉じる。そしてAGE32では社会人生活も軌道にのった光太の前に、再び10年前の事件を思い出させられる人物が登場し、AGE22では明かされなかった疑問が、化学反応を起こしているかのごとく次々と謎解きされていく。
事件の重要人物である八千草の秘密。その秘密のカギは作中にところどころ埋め込まれており、巧みな仕掛けに楽しめる。復讐に燃えるユースケの鬼気迫る真理描写など楽しめた。
AGE22はあくまで導入部でAGE32のほうが、ストーリー展開が速く一気読みできたので、面白い作品でした。
美津子のあの心境は理解できなくないが、そこにいたるまでの描写部分をAGE22の部分でページを割いて織り込んでも良かったのではないか?と思えた。
ラストの光太にかけた電話主は明かされおらず、各読者の想像にゆだねられる形となっております。個人的にはユースケ?なのではと思いました。
この小説では近未来設定なのでUSBメモリがもはや、レガシーな存在になっていました。時代の移り変わりははやく、それもそう遠くないのかも(汗)。
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