そしてバトンは渡された～瀬尾まいこ著～

2019年本屋大賞受賞作品ということで、瀬尾まい子さんの作品読んでみました。
実母は早くに他界し、その後は実父の再婚、継母、継父と何人も親が入れ替わっていく。主人公は現在は森宮優子。
継母、継父の登場で家庭に恵まれない不幸ストーリーのはじまりかと思えば、そうではなく、どの親もその親なりに優子を愛していた。血のつながりを超えた関係の中で、ほっこりとあたたかくなる世界。
現実はこのように成長しきった子供でいられるのか、受け入れる大人もそこまで感情をコントロールできるのか、実父がずいぶん霞んでいる感を受けるなど疑問は多々あります。
現実世界で血のつながりを超えた家族愛関係がこうあれば、どれだけ世界が幸せであろうかと思う。
ラストの父親は森宮さんですが、食事のシーンが多くあります。豪華ではなくとも食事は家族関係をつなぐ役割を果たしていると思う。だいたい結婚生活でモメ事の１つは、食事だったりしますよね。食事がおいしいと共感できると、多少の不満などなかったことにできる・・

血のつながりがなくても、人は愛情を注ぐことができる。愛情を注ぐ側もまた、人生が変わりゆく

ここが本書のテーマだと思います。

ここからは瀬尾さんのホロスコープを少し。

太陽と水星が山羊座の終わりにあります。これらの星は天王星とスクエア。月はだぶん蠍座。
月、金星、火星で不動宮のTスクエアです。
一度目標を決めたら中途半端では済まされない本気の人です。冷静な思考、自制心をもって事を進めます。
決めたことは責任をもってこなしたい方なので、あれこれと手を広げることは苦手そう。
自分の中で優先順位がはっきりしており、守るべきものをしっかりと守る方です。
山羊座ｘ蠍座だと文体も重くなりがちですが、瀬尾さんは金星水瓶座にあることも影響してか、文章は重いテーマでも、重すぎず、自分のことなのに、どこか他人目線。ライトノベル感覚で読み進めることができると思います。
山羊座水星、双子座土星のタイトな150度。牡牛座火星、射手座海王星のタイトな150度が目立ちます。必要な知識や情報の大切さをよく理解し、学ぶことに対して真摯な姿勢を持った方だろうなと思います。だから教師の職を選ばれたのだとも思いますし、教師として伝えられることの壁を感じていらしたのかもしれません。純粋に自分の求める理想にエネルギーを注ぐ方でもあり、思いつめやすい面もあると思います。
中学校教師でしたが、結婚を機に退職。現在は子育てと執筆活動中。不動宮で月金星火星また愛するものに対する思い入れが強いので、二足の草鞋を履いての活動と家庭を維持することは厳しかったのかもしれません。

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