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超管理社会を描く・・1984年~ジョージ・オーウェル著

占星術では土星冥王星が山羊座を運行中ですが、この期間においては「管理社会」への道筋が強まるであろうと考えられます。
そこで今日は超管理社会への警笛として、古い作品ですがディストピア小説として有名な作品を読んでみました。

本書は1984年よりはるか以前1949年の著作であり。イギリスでは本当は読んでいないのに、読んだふりをしてしまう本の代表例の1冊なのだそうだ。ディストピア小説として有名な作品。
内容は1984年(この本の出版時は未来の世界です)に世界はユーラシア、オセアニア、イースタシアの3つに分割されていた。イギリスはオセニアに属しており、トップは「ビッグ・ブラザー」。一党独裁政治が行われていた。
党で働くウィンストンは党の歴史の改ざんを行う部署で働いていた。党員は日常生活は全てテレスクリーンで監視されており、余計な詮索や疑うことがご法度!政治的なことを含め自由な意見を述べる、恋愛などはもっての他であった。ウィンストンは独裁政治時代前の記憶が薄れていく中で、党の独裁のあり方に疑問を持っていた。
自分を監視するスパイと思えたジュリアと恋に落ち反政治活動に関心を持ちはじめるが・・・

といストーリーうものである。「超監視社会」がきたら、このようになるのかもしれないというフィクションです。読み進めていくうちに、かの近隣の国ってこうなのか?と思わずにはいられませんでした。具体的には党員の生活が作中に描かれていますが、読み進めていく間に既に日本でもゆるい形で監視が行われていることを改めて思い起こさせられます。思考と行動を監視するテレスクリーンは現代の隠しマイク、防犯カメラに相当。マイナンバーも国による監視化の1つですよね。
また党員が一般市民(プロール)の音楽や雑誌など娯楽も管理しており、プロールが喜び反政治活動と無縁な音楽歌詞を機械により自動生成し、街中に流し続けるシーンがあります。必要とされるテーマに沿い機械が自動生成するという面では、現在急速に進化するAIを思い出さずにはいられませんでした。
かの隣国とまではいかないかもしれない、しかし国やメディアによる情報操作(印象操作)は常日頃に行われており、現在の日本でもじわじわと監視化が強められています。

ただ生活を監視するだけでなく、ウィンストンの済むオセアニアでは党が「2+2=5」といえばその説を矛盾しても受け入れられなければなりません。それができなければその人は存在しなかったことにさせられてしまいます。このように人間一人一人の尊厳や権利などは認められていない超管理社会。すでに管理化が進行しつつある中で、政治家選びを一つ間違い、とんでもない権力を持たせてしまうと世界の方向性は恐ろしい世界を作り上げてしまうでしょう。
本書は暗い、長い作品であるにもかかわらず最後まで読ませてしまうだけの優れたSF社会派、ディストピア小説であると思います。

 

 

 

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