東京など関東の一部では7月にお盆。多くの地域では8月にお盆を迎えます。
お盆月の13日にお盆入りとし、お仏壇にロウソクを灯したり、玄関に迎え火を灯して、ご先祖様をお迎えします。
昔からロウソクは、日本のお盆のように世界中の宗教儀式に使われたり、電気がない時代は生活の明かりとして、また不浄を清めるものとして使われてきました。
この他では古くから童話の中にも寿命を数える道具として、ロウソクが登場します。
その物語のタイトルは「死神の名づけ親」
このお話のストーリーを書くと
死神に名づけ親になってもらったある貧しい家柄の子供(のちに男と記述)が、死神から裕福になれるから医者になれといわれ、特別な薬草をわたされます。そしてこう伝えられます。死神が病人の頭にいるときは薬草で助けられるが、足元にいるときはもうダメなのだ(寿命)と。特別な力を授けられた男は、たちまち名医となりました。
ある日、王様が重病となりました。すると死神は足元にいました。王様を助けられれば大金が入ります。そこで男は王様のベッドの上下を逆さまにし、頭の位置に死神がくるようにしました。そこで王様は助かるのですが、これに怒った死神は二度とこのようなことをするなと忠告していくのでした。
その後、お姫様が重病になりました。お姫様を助ければお姫様と結婚できます。男は死神の忠告を無視して再びお姫様を助けるのですが、、、これに怒った死神は洞窟に男を連れていきました。
洞窟にはたくさんのロウソクに火が灯っています。このロウソクは寿命のロウソクでした。赤ちゃんのロウソクは長く、年寄りのロウソクは短くなっています。そして男のロウソクは今にも消えそうでした。
男は愛と金欲しさに目がくらみ、死神を欺き王様やお姫様の寿命を長くしたために、自分のロウソクの長さを削られていたのです。これに驚いた男は死神に、自分のロウソクを長くするよう懇願します。
死神は大きなロウソクを持ってきました。男のロウソクを大きなロウソクに移すふりをして、男のロウソクの火を消したのです。男は死んでしまいました。
このお話は落語の「死神」の原型となったと思われるお話です。この他にも似たようなお話が日本昔ばなしの「寿命のロウソク」などがあります。
また童話でなくとも古くはフランス、ルイ15世が死にゆくときも窓辺にロウソク灯し、その明かりを消えた時、ルイ15世国王崩御を示した。このようにロウソクの炎と命を重ね合わせることは世界共通の感覚なのかもしれません。
ロウソク自身は太くしかりとした芯を持っていること、また強風が吹いていない、湿気が少ない、換気が出きており酸素があるなど・・環境が整っていることで長く燃え続けることができます。一方で人間ならば健康な身体を持っていること、そして安泰な環境にあることが長寿につながるのでしょう。環境の中には社会環境、自然環境など多くの要素を含みます。社会環境が悪ければ充分な健康を維持できません。自然環境が災いすることもあるのです。
長文になりましたが、本来のロウソクの形状を観察するのが推命学であったり、DNA情報。そして環境は現在置かれている場所を示します。占いで寿命を観る方法も存在しますが、その方法だけで完全な寿命を見通すことは不可能に近いのではないでしょうか。
明日消えるかもしれない炎。ただその時がいつなのか?それを知るは神の領域のハナシ。人が出来ることは、自分のロウソクの炎を明るく燃やすことに集中することではないでしょうか。
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