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上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅱ

2017年10月21日

高殿円さんの上流階級続編です。前作から少し時間が経過してしまい、記憶があいまいでしたが読み進めていく間に思い出してきました。
専門学校卒、中途入社、バツイチ女の静緒と乙女な資産家の息子の桝家はライバルでありつつも高級住宅街のマンションをシェアする不思議な同居人の関係。ともに将来の孤独という漠然とした不安や、仕事上の権力争いに振り回されながらも恋愛関係を超えたところの同士で成り立つ独特のパートナーといったところです。

本作内では数々の上流階級の生活観が見えて面白いです。たとえば男性はスーツからのぞく腕時計で値踏みするところ。男性の装いはアクセサリーも女性ほど幅がないので時計が勝負なのだそうです。またお金がたくさんあれば税金対策が必要。上流階級を維持するにも税金対策も必要ですし、それはそれで頭脳プレイが必要そうです。
また外商で数字のあげることの難しい点です。一部の若くして成金になった相手ならともかく、本当に上流階級の人は買えないモノなんて無く、モノを買うことにあきているわけです。
たたき上げ外商の静緒が単なるモノを売りからアイデア勝負でエリート、男性社会の外商部で挑む姿が心地よかったです。前作よりも静緒が丸くなったというか、外商部のめんどくさい人間関係も慣れてきたということもあるのでしょう。少し肩の力が抜けてきたようで前作より読みやすかったです。

性差にこだわらない、、恋愛を超えたところの信頼を置ける静緒と桝家の関係は、従来の婚姻に縛られない新しい大人のパートナー関係の形ではないかと思えた。

 

3dman_eu / Pixabay

 

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