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ある晴れた夏の朝~小手鞠るい

アメリカに住む中学生のメイはサマーホリデーをどのように過ごすか悩んでいた。そんな時に学校の先輩から公開討論会に誘われる。討論会のテーマは「戦争と平和を考える」。日本に投下された原爆の是非を肯定派4人、否定派人と分かれ4回にわたり公開討論をするのだ。アメリカではよく行われるディベートです。

討論に参加する人は日系アメリカ人、ユダヤ系、中華系、アフリカ系など様々な先祖ルーツを持つ人たちです。肯定派はまず「戦争を終らせるために必要だった」と説きます。肯定派の代表的意見です。

この後にナチス、南京虐殺、真珠湾攻撃、人種差別など様々な方向に展開していきます。日本人側の意見だけでなく、アメリカ、そして中国といった他国の人がどのようにこの問題を捉えているのか、垣間見ることができます。

日本人なら被害者目線でしか見えないことも多い原爆問題。全く違う立場、視点から考え、見つめることは平和を考える上でムダではないと思います。南京虐殺、人種差別にまで及んだことは発見でした。
ラストは日本語と英語の違いに触れていますが、まとめとして逸悦だし、アメリカに住む著者だからこその気付きだと思う。

もともと中学生~向けの本なので、文字数もさほど多くない。しかし大人も楽しめる作品です。中学生にはもちろん、大人にもオススメしたい1冊。

ある晴れた夏の朝 [ 小手鞠るい ]
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