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思い出が消えないうちに~川口俊和著

シリーズもの3作目の作品です。1作目が「コーヒーが冷めないうちに」、2作目が「この嘘がばれないうちに」。そして本作です。
舞台は東京から函館に移動します。東京の喫茶店フニクリフニクラの店主である流。この流の母ユカリは函館のドナドナの店主です。しかし無鉄砲なユカリが、突然渡米してしまい店主が不在に。そこで責任を感じた流が数、幸とともに函館に移住?して話が進んでいきます。
基本的な構成は前2作と同じで、いくつものメンドクサイ条件をクリアすれば、過去や未来にタイムスリップできるというものです。タイムスリップできる時間はコーヒーが冷めきらないまでの15分位。会いたい相手が喫茶店にきたことがある。そして過去に戻ることができても、その現実は変わらないのです。それでもタイムスリップする意味はあるのか?とも思わなくもない。
3作目は「死」が間に入っていることが特徴です。
作中に出てくる「明日、世界が終わるとしたら?」の問いかけをクロスさせながらと物語は進みます。
人の死が不幸ならば、人は不幸になるために生まれてきたことになる。そんなことはない。人は幸せになるために生まれてきている。という言葉が、本作のメインテーマです。優しいけど切なく悲しい話もあります。また過去から現在は変わらないけれど、未来は心の在り方で、また変えることができます。やさしさと希望を持つことの意味を、優しく教え伝える一作。

作中は前作にリンクしている部分もあること、やや誰が何を話しているのか?状況が瞬時に読み取りにくい場面もありますので、1作目から読む方が楽しめるでしょう。私は1作目、2作目を読んでからしばらく経過していたので、少し思い出すのに時間がかかりました。映像化に向く作品だと思います。全体として良いお話が多いのですが、パターン化してきている点は否めないです。幽霊の老紳士の謎、なぜ時田家の女性だけがタイムトリップできるようになったのか?また妊娠すると能力が消えてしまうなどの、いくつかの謎の部分をクリアして、次作で完結してほしいと思う。

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コーヒーが冷めないうちに [ 川口俊和 ]
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この嘘がばれないうちに [ 川口俊和 ]
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思い出が消えないうちに [ 川口俊和 ]
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