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竹林はるか遠く~ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ著

アメリカで1986年に出版された日本人少女ヨーコの戦争体験記です。

アメリカでは「So Far from the Bamboo Grove」として発行されています。

戦争の悲惨さを伝える良書としてアメリカでは授業にも使用されていたようですが作中に韓国人が日本人女性を強姦するシーンが事実と異なるということでクレームがつき物議をかもし出しましたが、2007年に日本語版が出版されたものです。

物語は満州鉄道につとめる父のもと、ヨーコはそこそこの暮らしをしていたが終戦近くになり敗戦の色が濃くなると、ソ連共産軍と日本人をうらむ朝鮮人が攻めてくるとききヨウコ一家は日本へと帰国することになる。羅南から京城、釜山と機関車や徒歩で避難をする。その間は、残飯をあさる、男装をする・・生き延びるにはあらゆることをして生きのびることをしてきたヨウコ一家。生きるなら人は何でもできる。

人が生きのびることの力強さを思う。

さて苦難の逃避行の中、ヨウコは姉の好がおこりっぽくなったと記されています。幼いヨーコは逃避行の間も、辛さのあまりただ泣いたり、わがままを言いますが、姉の好はしっかり者で母にとっても頼りになる存在でした。しかし姉の好もわずか16歳の少女。怒ることでしか、自分の崩れそうな心を守るために必死だったのだと思うと胸が締め付けられながら読み進めた。

ヨーコらが、ようやく日本に帰国しても赤貧生活であった。母が前納で学費をおさめておいてくれた学校も、貧しい身なりなことからボロ人形と同級生にバカにされる。一方で吃音のある用務の内藤さんは、ヨーコに優しくヨーコにとって唯一の話し相手であり苦痛でしかなかった学校での癒しの場となっていました。この他、ヨーコ姉妹に住む場所を提供してくれた増田さん、朝鮮から共産党員らがせめてくることを教え避難を呼びかけ川嶋親子(ヨーコ家族のこと)を救った松村さん。日本で松村さんとの劇的再会を果たし、多くの人の親切に助けられながらヨウコは生き延びていた。一方で兄もまた日本への避難中凍死寸前のところを北朝鮮の農家に助けられました。そこでは家族同様に大切にされ療養していましたが、兄は祖国へと旅立つのでした。なんと金家族は危険を冒してまで38度線国境まで兄を見届けています。

朝鮮人とはいっても、全員が日本人憎しと思っているわけでもなく理解と思いやりのある人もいるのです。

そしてラストはヨウコのもとへ1人の朝鮮人らしき男性が表れます。この人の正体は・・・

戦争時とは人を人でなくします。本体験記は単なる朝鮮の批判本ではありません。作品中には親切な朝鮮人も登場しており、あくまでヨウコの視線からみた体験記に他なりません。戦争とは戦いが戦いを生み、戦争に関係ない一般市民の生活も壊し、恨みと悲しみしか生まれない世界であり何も良いところはありません。最近の中国を叩け、韓国と戦えといわんばかりの右よりの論争には、捏造もはなはだしいですし、心情として理解できる点はあるものの危険さを感じます。結局戦争ですっきり物事が解決することなどはなく、新たな戦いの火種を生みます。戦争というスパイラルへ突入しないこと、政治家の方々には賢い国際交渉力をもって望んでほしいです。

ここからは本書の感想と論点がズレますが、韓国に対する感想・・・

冒頭に書きましたが本書は韓国から一部表現が事実と反するとクレームを出しています。本書は辛い戦争体験を語った作品です。作中は恐怖、不安の中、それでも生きのびていくために家族で助け合うことで強くなっていく様子がわかりますし、決して日本が良い、朝鮮人だけが悪いといった特定国を非難しているわけではありません。クレームをつける韓国人は本書を読んでいないのだと思います。

いつも韓国は日本を極悪とかいいますが、歴史上、韓国人(朝鮮人)らは過去一度たりとも老人、子供、女性に手出しすることはなかったのでしょうか?旧日本軍、韓国、中国、旧ソ連、アメリカ、ヨーロッパ、イギリスにしても弱者に一切手出しをしたこともない清廉潔白な人種だと言えるはずもないのです。

終戦後の韓国にいたっては国内政治が不安定になるたびに、反日活動を繰り返します。過去の日本人が清廉であったと日本人である私も考えておりません。しかし日韓併合をはじめ、韓国にすれば独立国になることができ近代化をとげるメリットもあったはずですし、日本政府はすでに1965年に韓国へ多大なお金を払い謝罪をしています。それら日本の過去の誠意ある謝罪行動をすべて無視し、でっちあげの歴史を作り反日を繰り返す現在の韓国の行動は品位がありません。今の朴 槿惠大統領は代表例でしょうか?

日本だけでなく世界で嫌韓が多いのも、彼らの行動に客観性がなく言った者勝ちといわんばかりの、下劣な行動が多いからです。慰安婦像がその例です。言いがかりはやめ正負の側面から冷静に歴史を見て欲しいと願うばかりです。

その後の物語が英語版で発行されています

 

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